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2004.06.07

横取りされた親切

座席の前に数人の人が立つくらいのちょっと混み合った電車の中。夕暮れ時、疲れ切ったサラリーマンが座席に腰をおろして家路につきたい時間帯だ。

電車はとあるターミナル駅に到着。大勢の人たちが降りていったわりには、乗り込む人は思いのほか少ない。車両全体を見渡せば5~6人が立っている程度で、あちこちの座席にそれぞれ1~2名分くらいの隙間ができた。ドアが閉まり、電車はゆっくりとホームを離れていく。薄暮の空にネオンが美しい。

しばらくして向かい側のドア沿いの席に座っていた20歳前後の青年が、さっと立ち上がり、すぐ脇に立っていた老婆に何やら話しかけている。車内の騒音で声は聞こえないが、どうやらこんなやり取りをしているようだ。
「よかったら、ここに座ってください。」
青年は座席を指さし、老婆もそこに目をやる。さらに老婆は青年に片手で説明をするように。
「あらすいません・・・でも、すぐ降りますから・・・・」
「そうですか、でも・・・」
「本当にいいんです、ご親切に・・・」

その様子を見ていて「そんなに遠慮をしなくてもいいじゃないか、素直に親切を受けたら?」などと思っいた瞬間。ドアとは反対の方向からやって来た年輩のサラリーマン風の男が問題の席にサッと腰を下ろした。見事な早技。

振り返りざまに青年はその様子を見て、特に驚いたふうでもなく何も語らず隣の車両に移動していった。老婆は何事もなかったようにドアの外を向いたままだ。首尾良く座席を確保した男は新聞を広げはじめた。そこで今、何もごともなかったかのように。

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