やるせないできごと
日頃から何かとお世話になっているのが公立の図書館だ。どちらかといえば、目的があって出かけるというよりは、行ってから興味のありそうな本やCDを見つけては借りてくる。そんなことを、2週間に一度、つまり借りられる期間が2週間なので、それを何度も何度も連鎖的に続けている。
図書館に行くのは土曜日の午前中。いつも利用しているのは、駅のすぐ近くにある図書館で蔵書の数も多い、それに利用者も。でも、ほとんど人たちが静かに利用しているので人の多さはあまり感じない。
書架に向かってあれこれ探しているときのことだ。「ふぁ~・・・・×△◇・・・」わけのわからない奇声を発する男が突然入り込んできた。良くみると目がうつろ。どこにでもいそうな障害を持った青年のようだ。
その青年が奇声を発しながら、走るように脇を通り抜け、書架の角を曲がってすぐ、小さな赤ちゃんが突然泣き出した。何事かと様子を見ると、男が勢い余ってそこにいた赤ちゃんを突き飛ばし、何もなかったように立ち去っていく。
すぐそばにいた母親は、男をにらみつけながらも泣く子をあやす。
障害者を悪く言うつもりはない。でも、やっと立てるようになったかどうかという年頃の赤ちゃんや、その母親の不注意を責めるわけにもいかない。事件はあまりにも突然だった。
静かな図書館に響く赤ちゃんの鳴き声、せいぜいその声が届く範囲だけだろうが、妙なやるせなさが漂った。
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