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2007.10.23

急展開

「もしもし、○○道の97キロポストのところから電話をしてます。ボンネットから煙が出て車が停止しました・・・・・」
「・・・・・わかりました、すぐに牽引車をそちらに向かわせますので、車を離れてガードレールの外側など、安全なところでお待ち下さい。」

駐車している車から少し離れたところに移動し、これから訪問しようとしていた相手に携帯電話で連絡を入れる。それからしばらくの間、道路を走り抜ける何台もの車を眺めていた。だが、一様にどのドライバーもこちらを見ながら通り過ぎていく。しかも、どう見ても気の毒がるような視線などではない。それどころか、おおかたが好奇の目で、中には指をさして笑う奴さえいる。とんでもないことだ。ばかやろう、こっちだって好きでこんなところに止まってるんじゃないんだ。高速で行き過ぎていくドライバーたちの視線に嫌気がさして空を眺めた。真っ青な空に秋のすじ雲がきれいに並んでいた。

青い色の牽引車でやってきた青年は、ボンネットの中を見て、「これはエンジンがいっちゃってますね」とひとこと。冷却水が何らかの理由で漏れ出してエンジンが焼け付いてしまったのだそうだ。

なるほどそういうことか、で、修理の段取りはどうなのか。恐る恐るたずねてみた。
「この年式ですし、エンジンを取り替えて30万から下手をすると50万というところですかね。どうします、これから?」
このどうしますは、どうやらどこへ運ぶのか早く考えろといっているようだ。
「この近くに修理工場はないの?」
「いえ、そういうことではなく、解体屋へ持っていくかどうかということです・・・・」
なるほどそういうことか。

「ところで、お客さん、会員証の期限が過ぎてますから、ちょっとお高いですが、運びますか?どうします?」
某自動車連盟の有難さは身にしみてわかっているのだが、それでも、そんなふうにつけこまれるとムッとしないわけでもない。期限切れにいきなり解体屋直行ねぇ、悪いことは重なるものだ。ともあれ、このまま故障車を放置するわけにもいかず、彼の提案に従うよりほかに選択の道はないようだ。

解体屋さんには、気の良さそうな青年が待ち構えていた。なぜ、こんなことになったのか。それををじっくりと理解する間もなく廃車の手続きが行われ手数料を支払う。ここまでの牽引費と合わせると、前から欲しいと思っていた最新型のデジカメが買える金額だ。

おっと、そんなことを考えている閑はない。トランクに積んだままのカメラの三脚やもろもろの道具を自宅まで送る段取りも考えなければならない。ああ、何ということだ、気に入っていたカーナビも、カーステレオもETCも取り外すことなくこの場を去らねばならないのか。それに、ここでもたもたしていると午後の大切な仕事に間に合わないことになる。ええい、みんな捨ててやる。

帰りの電車の中で、今日これまでに起きたことを振り返ってみた。なぜだ、なぜそうなるのか。事態の急展開に疲労感だけが残った。

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